新しいScaniverse でマシンが理解できる世界をマッピング
世界モデル(World Models)は日々進化し加速していますが、その多くはテキストと画像で学習されたモデルです。物理世界で真に稼動させるには異なるモデルが必要です。それは、周囲の環境をナビゲート可能にし、マシンが理解できるようにするための正確な座標とジオメトリを持つモデルです。 経済活動の80%がスマートフォンやパソコンのスクリーンの外で営まれているこの世界で、このモデルはとても重要なものです。
Niantic Spatial が構築しているのは、その基盤になるもの。即ち、人もマシンも対話できる生きた世界のモデルです。 本日、私たちは新しい Scaniverse for business をローンチできることをとても嬉しく思います。このScaniverseは、地理空間AIとLarge Geospatial Model への入口になるものです。
空間をキャプチャすることと、その中で自分が居る場所を正確に知ることは、ふたつの異なる課題です。多くのソリューションではいずれかひとつを解決していますが、Niantic Spatial では両方の課題を解決します。幾何学的に正確で空間に根差したモデルを作り、マシンが物理世界を理解し、インタラクションできるようにすることで、両課題を解決します。
本日のローンチ内容
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Scaniverse: 小規模から大規模まで、多様な3D空間をキャプチャして、ビジュアルポジショニング(VPS)マップ、メッシュ、ガウシアンスプラットを生成できる新機能と、Webおよびモバイル統合型プラットフォームが登場します。スマートフォンだけでなく、様々なデバイスに対応。
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VPS 2.0: 事前スキャン不要で、世界規模で動作する、ビジュアルコンピューティングによる精緻な自己位置推定機能。Scaniverse でマッピングした場所では、センチメートル級に近い6DoF位置推定を実現。それ以外の場所、特にGPSが機能しにくい環境であっても、GPSの誤差や途切れを補正することで、安定した信頼度の高い位置情報と方位を提供します。
今月リリース予定の Niantic Spatial Development Kit(NSDK)4.0 は、Unity・Swift・Android・ROS 2に対応した統合SDKで、Scaniverse と VPS 2.0 との連携が可能です。
Scaniverse: Niantic Spatial が提供するサービスへのエントリーポイント
Scaniverse はNiantic Spatial が提供する地理空間サービスを利用するための、プラットフォームです。キャプチャ、データのアップロード、空間アセットの生成、メッシュ、スプラットの閲覧、及びVPSを使った自己位置推定をすることが可能です。
Scaniverse は、小さな部屋から広大な施設まで、様々な物理空間のキャプチャに対応できるようになりました。
そして、この空間をキャプチャするのに必要なデバイスは多くの皆さまのお手元にあるスマートフォンだけです。そして今回のローンチから、360°カメラのデータを取り込み、処理できるようになりました。高価な専用の撮影機材や、トレーニングは必要ありません。今後も対応データの種類を増やしていく予定ですので、どうかお楽しみに。
スマートフォン
アップデートされたScaniverse アプリ は、これまでも世界中で数百万のオブジェクトや場所のスキャンに使われてきたプラットフォームを基盤にしています。
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ひとつのスキャンで複数出力:1つ(または複数)のスキャンから、精密なVPSマップと高精細なメッシュ、スプラット(3D Gaussian Splatting)を、Scaniverse ビュアー上で生成可能です。
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コラボレーション::複数ユーザーが、異なるタイミング・異なるデバイスで取得したスキャンデータを共有プロジェクトに追加できます。アップロードされたデータはクラウドで保存・管理され、それらから統合されたアセットを生成することができます。
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オンデバイスプレビュー::端末側で動作する VPS マッププレビューによって、通信環境が思わしくない場所でもすぐにスキャン範囲とキャプチャの品質を確認できるため、アプリを通して現地で簡単に自己位置推定のテストを行えます。
既存の Scaniverse ユーザーの皆さまは、従来通りご利用いただけます。ビジネスアカウント・個人アカウントの詳細については、FAQs をご覧ください。
ウェブ
scaniverse.nianticspatial.com では、複数のユーザーがデータをアップロード、管理、処理することが可能です。データは Scaniverse App と360°カメラから取り込み可能で、処理したデータの可視化されたアウトプットの確認もできます。
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広大、煩雑なエリア: 360°カメラからのデータをアップロードして、建設現場・工業施設・市街地など、広大なエリアをガウシアンスプラットとして再構築・可視化できます。
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Scaniverse ビュアーでアセット処理とレビュー: メッシュ・スプラット・ロケーションマップを生成して、Niantic Spatial VPS を通してプレビュー。360°カメラからのデータの VPS 対応も近日公開予定です。
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組織を横断するコラボレーション: サイト・スキャン・処理状況へ複数ユーザーが同時にアクセスできることから、現場のチーム・エンジニア・オペレーターが常に最新の共有モデルをもとに作業できます。
生成されたアセットは3Dの標準的なフォーマットでエクスポートすることも可能です。メッシュは FBX、スプラットは PLY、及び業界全体で採用が進む私たちのオープンソースのガウシアンスプラットフォーマットである SPZ で。ファイルはロボティクスシミュレーターへの変換・インポートにも対応しています。
グローバルVPSで位置推定を。
50年以上前に生まれた GPS は、ナビゲーションとおおまかな位置推定のために作られたものですが、十分な精度を示せないことも確認されています。高層ビルが立ち並ぶビルの谷間では、GPS 信号が建物に反射し、誤差が蓄積され配送ロボットが道路のどちら側にいるかさえわからなくなってしまいます。そして、ますます増えるセキュリティ上のリスクとして、信号のジャミングやスプーフィングも起きています。
Niantic Spatial の Visual Positioning System(VPS)は、カメラ入力と高度なコンピュータービジョンを使って、リアルタイムで精密な位置と方向を示します。これは、複雑な歩道を走るロボット、石油精製所で特定のバルブを探す技術者の皆さま 、周囲の状況を理解するAIグラス、または地上と連携する空中ドローンにとって欠かせない技術です。
Niantic Spatial のVPSは 6自由度(6DoF)の自己位置推定を実現しており、位置情報と向いている方向の両方の情報をセンチメートル単位の誤差内で提供します。これは、好条件での GPS 精度である3〜5メートルと比べても格段に精度が高く、屋内・地下・GPS が受信しにくい環境でのご利用に適しています。
これまでの VPS は、事前に場所をスキャンしておく必要がありました。VPS 2.0 はその制約をなくし、カバレッジを世界規模へと拡大。GPS を補強し、3自由度(3DoF)の自己位置推定を提供します。視覚的なコンテキストと複数のデータソースを活用して GPS のドリフトや信号途切れを補正し、GPS 単体では不安定になる場所でも、安定した一貫性のある位置情報を提供します。
これらが統合されたひとつのシステムになりました。グローバル VPS でどこでも安定して位置を特定し、最も重要な場所ではシームレスにセンチメートル精度の6DoF 位置特定へと移行できます。
NSDK で地理空間体験を構築
Niantic Spatial Development Kit を利用することで、Scaniverse を活用した地理空間アプリ、体験を作成することが可能です。今月、Swift・Unity・Native Android に対応したNSDK 4.0 を一般公開します。また、ご要望を頂いたお客様にはROS 2(Robot Operating System 2)対応のNSDKの早期サポートを開始します。
このアップデートにより、高パフォーマンスのモバイルアプリの開発や複雑なロボティクスシステムの構築など、既存のワークフローをそのまま活かしながら、幅広いプログラミング環境で開発できるようになります。
こんな方に
Scaniverse (ビジネスアカウント) と Niantic Spatial VPS は、以下のような用途を想定し設計されています:
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ロボティクスのOEMおよびオペレータ: ロボットは屋内や GPS が機能しにくい環境で位置を見失うことがあります。VPS 2.0 は GPS だけに依存しない、継続的で正確な位置特定を提供します。
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エネルギー、建設、物流: 複雑な現場はナビゲートが難しく、点検やコラボレーションの遅れにつながります。Scaniverse が精密にマッピングすることで、チームとマシンが共通の空間モデルをもとに作業できます。
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公共期間 - GPS を受信しにくい場所での作業におすすめです。VPS 2.0 は GPS が受信できない場所でも、信頼性の高い位置情報と方位を提供します。
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大型施設 -Scaniverse と VPS により、永続的でロケーション対応のスペーシャルアプリケーションを実現します。
今回のアップデートは、Large Geospatial Model の Capture (キャプチャ)・Reconstruct (再構築)・Localize (位置推定) にフォーカスしたものです。今年後半には、シーンのセマンティック理解のための地理空間基盤モデルについての続報をお届けします。AI が世界をナビゲートするだけでなく、その中のオブジェクトや環境について推論できるようになる技術です。