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Ground Truth : VPS2.0を使った自己位置推定

日付:4/7/2026
著者:Hugh Hayden
カテゴリ:
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過去数十年にわたり「自分はどこにいるのか」という問いへの答えはGPSが担ってきました。これはエンジニアリングが達成した偉業です。しかしながら、このシステムは、開けた空と大まかな位置情報で十分だった時代に生まれたものです。今日の自律システムは、衛星信号が遮断・劣化、あるいは完全に届かない環境でも動作することが求められています。

GPSは脆弱です。都市の高層ビル群の谷間では信号が反射して位置がずれてしまいます。屋内では信号が届かなくなり、地下や起伏の激しい地形では信号が完全に失われることもあります。また、重要インフラ周辺や紛争地域などでは信号が妨害されたり、なりすまし(スプーフィング)によって完全に妨害されることもあります。

Niantic Spatialが開発する大規模地理空間モデル(Large Geospatial Model)の中核サービスであるVisual Positioning System(VPS)は、こうした課題を解決するために設計されています。

そして今日、新しくなったVPS 2.0をご紹介します。

埋めるべきギャップ

GPSが衛星信号から位置を算出するのに対し、VPSはカメラからの映像を解析します。表面・構造物・空間的特徴を認識し、詳細なビジュアルマップと照合することで、デバイスの正確な位置と向きを特定します。

従来より弊社のVPSは、6自由度(6DoF)の自己位置推定を提供しておりました。この高精度の自己位置推定は、屋内およびやスキャン済みの屋外環境で機能します。

この技術の課題はスケールでした。こうした高精度な自己位置推定を実現するには、あらかじめその空間をスキャンし、マッピングしておく必要がありました。工場・倉庫・産業施設・比較的小規模な屋外環境のような、既知で管理された環境であれば問題ありませんでした。

しかし、それ以外の場所ではどうでしょうか。自律システムがあらかじめマッピングされた範囲を超えて動く場合はどうなるのでしょうか?未知の地形や、事前のマッピングが不可能なほど急速に変化する環境での運用はどうでしょうか?

こうした課題のギャップを埋めることを目指しているのがVPS 2.0です。

グローバルスケールでの自己位置推定

VPS 2.0は、相互に補完し合いながらシームレスに動作する2つのモードを導入しています。

  1. 事前スキャンを行う 6DoF :事前にスキャン・マッピングされた環境で、高精度な位置・向きを提供します。初代VPSが提供してきた機能を礎に、VPS 2.0では新しいキャプチャプラットフォームである「Scaniverse」との統合により、より迅速かつ容易な導入が可能になりました。今年中に新たなキャプチャソースを追加し、6DoFでカバーできる環境の範囲を拡大する予定です。
  2. 事前スキャン不要の3DoF広域カバレッジ:事前のスキャンを必要とせず、グローバルスケールで信頼性の高い3自由度(3DoF)の自己位置推定を提供します。視覚的なコンテキストと複数のデータソースを活用することで、GPSのドリフトや信号欠損を補正します。このシステムは、以下のような複数の現実世界のデータソースを組み合わせて動作します:
    • ベースマップ:2Dマップや3D地形・表面モデルを含む従来の地理空間データ
    • スキャンデータ:スマートフォンおよび空中プラットフォームから取得されたデータ
    • デバイスレベルの入力:加速度センサー、磁気センサー、リアルタイム映像、LiDAR(利用可能な場合)

6DoFの高精度な位置推定と広域をカバーする3DoFの位置推定は、統合された一つのシステムとして機能します。地上ロボット・ドローン・MRヘッドセットといった自律プラットフォームは、グローバルスケールで安定した自己位置推定を行い、マッピングされたゾーンに入ると自動的により高精度な自己位置推定へシームレスに移行します。

VPS 2.0は、さまざまなローカライゼイション(自己位置推定)モードに対応しており、それぞれが異なる機能を実現します。空間マップや事前スキャンデータが存在しない場合でも、ナビゲーションや協調動作に十分な、信頼性の高い情報を提供します。一方で、事前にスキャンされた環境では、複雑な環境での精密なナビゲーションに必要なセンチメートルスケールの精度を発揮します。またVPS2.0では、マップカバレッジの状況に応じて、ユーザーの操作なしにこれらのモード間を自動的に切り替えることができます。

冗長性と堅牢性を備えた自己位置推定サービス

従来、GPSの弱点を補うためのアプローチは、高価な専用のハードウェアに依存する、もしくは、照明や天候、環境の変化に弱い手法に頼るものでした。Niantic Spatial のVPSは異なるアプローチを採用しています。柔軟なディープラーニングを基にしたアーキテクチャを中心にリアルタイムコンピュータービジョンとデバイス上のセンサーフュージョンを組み合わせることで、冗長性と堅牢性を実現しています。

近年、GPSは最も必要とされる場面において信頼性が低下してきています。高密度な都市環境、複雑な構造物の内部、さらには係争地域では、その傾向が顕著です。VPS 2.0は、衛星信号が劣化・遮断・または利用できない状況でGPSを補完する耐障害性の高いビジュアル自己位置推定を提供します。

Feature Niantic Spatial VPS Others
Data Sources Deep learning based architecture enables localization from a variety of 2D and 3D data sources.
Flexible inputs
Typically require pre-mapping using proprietary software or use of closed proprietary datasets.
Locked ecosystem
Robustness Industry-leading research underpins a redundant deep-learning based system that ensures robust performance.
All conditions
Often rely on brittle CV approaches that may not be reliable in varying lighting and weather conditions.
Environment-sensitive
Pipeline Pipeline produces localization maps and 3D digital twins with semantic content.
Multi-purpose output
Pipelines are typically single purpose for localization and produce only limited mesh outputs.
Limited output

VPS 2.0は、位置情報における「精度」と「スケール」のギャップを埋める技術です。高精度な6DoF位置推定と、広域なカバレッジを誇る3DoF 位置推定を組み合わせることで、信号が劣化したり消失することのあるGPSを補完し、耐障害性の高い位置推定の環境を提供します。 これは、自律システムや地理空間アプリケーションが支える、次世代のリアルワールドコンピューティングを実現するための新しい位置情報基盤です。

VPS 2.0の活用シーン

VPS 2.0は、GPSだけに依存できないシステムのために、耐障害性の高い位置情報レイヤーを提供します。これには、GPSが妨害される、あるいは利用できない環境で活動する公共機関や、都市の高密度なインフラ内を移動する自律プラットフォーム、そして衛星信号が届かない施設内で高精度な作業を行う産業オペレーターなどが含まれます。

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